BACK 十番 切幡寺
2005年3月18日(二日目)
次の札所藤井寺を目指す。距離は10kmほどあって、休憩をいれたら3時間ほどかかりそうである。登ってきた道を引き返して県道12号線を横切り、さらに南下する。これから吉野川を渡らなければいけないのだ。
まず一つ目の川を渡る。この橋には欄干ががない。増水したときには水没してしまう「潜水橋」なのだ。川面がすぐ近くに見える。橋はけっこう幅が狭くて、大きな車がやってくるとすれ違うのに苦労する。もちろん車どおしでは無理である。
川を渡って広い平原を歩いて行く。ここは川の中州のようところで、私が歩いているところから3kmほど上流で吉野川は2つに分かれているのだ。だから、もう一度吉野川を渡らなければいけない。
私の前を若い遍路が歩いている。彼は昨日、板野のあたりで見かけた若者である。歩くのはかなり速いのだが、靴を引き摺るような歩き方をしている。長距離の歩き方には慣れていないみたいで、他人事ながらちょっと心配になってしまった。
二度目の橋は長かった。これを渡りきって土手に上がって振り返ると、天気はすっかり回復していてすばらしい景色が広がっている。空の蒼さを映して悠々と流れる吉野川と、そこに私が渡ってきた埋橋が細く一直線にかかっている。すばらしくきれいな眺めである。
この土手を右に少し行くと、遍路小屋があった。
遍路小屋というのは、あくまでも休憩を目的としているので、完全な壁はない。風が吹きぬけるのだ。それでも、屋根があるので、シュラフを広げて野宿をすることは可能である。
ここでしばらく休憩し、持って来たカップ麺を食べた。
天気がいいと、つい、のんびりしてしまう。結局1時間も休んでしまった。
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