津軽三十三観音霊場をゆく


		2017年9月7日母が亡くなった。母親に対する思いというのは、だれでも大きいものだと思うのだが、私の場合は、母子家庭であったために、ひとしおなのだ。母の菩提を弔うために、故郷の三十三観音霊場を巡礼することにした。巡礼というのは絶対に歩くべきだというのが、私のこだわりなのだが、急に思い立ったことでもあって、車でめぐることにした。それでも、この巡礼は大変である。まず、詳細なガイドブックがないのだ。唯一、陸奥新報社が発行している「津軽三十三霊場～札所巡りと歴史の旅」という本があるだけで、全面的にこの本に頼るしかない。さらに、旅で心配なのは、四国とか西国三十三の札所と違って、無人のお寺がほとんどということだ。カーナビなどを駆使しても、当然地図にも載っているのは少なくて、はたして無事辿りつけるかどうか…。もっとこまるのは、お寺自体が無人なので、御朱印が観音堂から離れた民家に委託されていることもあるのだ。一般民家なので、これを探すのも大変そうである。いろいろ覚悟を決めて、巡礼に出かけることにした。