BACK 58番 仙遊寺
5月3日(31日目)
次の札所には山門まで引き返して、東に向かう山道を下る。この下山道から瀬戸内海が見えた。歩き続けていると、今、自分が四国のどのあたりにいるのかわからなくなる。
山道から里に出て、さらに行くと国道196号線を横切る。
JR線の手前で右折して、頓田川を渡ると国分寺は近い。
国分寺には山門がなくて、真っ赤な「南無大師遍照金剛」の旗がいくつも並んでいた。
国分寺の境内は本当に広々としている。境内でおもしろいものを見つけた。「握手修行大師」の像で、参拝者はこの大師像と握手してお願いするのだ。私もこの像と握手してしまった。
ここで休憩していたら、すごく統制のとれた団体がやってきた。子供も混じっているし、若い母親も多い。創価学会とか、新興宗教の団体なのかと思ってしまった。四国遍路というのは宗派としては真言宗なのだが、参拝者は宗派を越えている。そのあたりが遍路のすばらしさでもある。
国分寺をあとに、ひたすら県道を歩いて行く。12時に国道196号線と合流して、車がびゅんびゅん行きかう国道を歩いて行く。
国道を1kmほど行くと「道の駅今治湯の浦温泉」がある。私はこの道の駅の構内に温泉があるのかと思っていたのだが、大間違いであった。国道から海側に1kmあまり入らなければいけないのだ。
湯の浦温泉には一つ峠を越えなければいけなかったが、それでも温泉に入りたい。温泉街には大きなホテルが並んでいて、私のような遍路が日帰りで安く入れる温泉を探すのはちょっと手間取った。「四季の湯」という日帰り温泉温泉を見つけて、ここで1時間ほど温泉に入った。足の小指にマメができてきている。その治療も兼ねている。
湯の浦温泉から来た道を引き返して、国道に戻る。
2時、国道から別れて県道に入った。
途中には大師ゆかりの「臼井御来迎」と「日切大師」があったので、ちゃんとお参りした。
丹原町に入ったのは4時半である。
ここからは少しコースから外れるのだが、生木地蔵をめざす。ここに通夜堂があるので、泊めてもらうつもりなのだ。ところが、ここは通夜堂を使う人には1000円の寄進を願うことにしているという。おまけに、そこでは火の使用が禁止なのだ。炊事ができないのではどうしようもない。めんどうになってここに泊まるのはやめることにした。
この隣に小高い山があって、神社が山頂にある。そこに登って、神社の人にきいたら、ここから15分ほど行ったところに総合運動公園があって、そこに東屋があるのだそうだ。
そこに行くことにした。
岡の上にある運動公園には子どものための遊戯施設がいっぱいあって、もう6時近いというのに家族連れがたくさん遊んでいた。彼らが帰るのを待っていたが、なかなか帰らない。
7時くらいになって、この遊戯施設からもう一つ山側に登ったところに東屋を見つけた。
ここにテントを張った。
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瀬戸内海が見えた
のんびりと山里を行く
国分寺境内
握手する大師像
湯の浦温泉で温泉に入った
この公園の東屋にテントを張った
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