BACK 12番 焼山寺
2005年3月19日(三日目)
焼山寺からは遍路道を下る。つづら折れの車道を何度か横切って行くと、下のほうに集落が見えてくる。車道に出るとすぐに、左にお堂があった。
お大師さまの銅像がたっている。大きな杉の木が聳えていて、その前にに説明板が立てられていた。読むと、ここは「遍路発祥の地」で、その伝説が書かれていた。ここにあるお堂が「杖杉庵」であった。
遍路発祥の地のお堂ということなので、敬意をはらうことにした。納め札を納めて、般若心経あげてしまった。
すぐに車道をはずれて、桃の花が咲く果樹園の中を下って行く。本当に花がきれいで、こんな山の中の小さな集落をのんびり歩いて行くと、「桃源郷」ということばを思い出してしまう。
山道からアスファルトの車道に降りたち、鍋岩の集落の中に入る。歩いて行くと遍路の駅という看板があって、バスの終点のようである。トイレもあってその前にベンチがあったので、ここで少し休憩。
さて、あとは車道を歩いて神山温泉をめざす。時間的に余裕があったら、温泉に入りたいと思ったりしている。
ところが、車道を少しだけ行くと左に遍路道の指導標があった。車道から離れて、細い山道を登ってゆくのだ。
ガイドブックの道とは違うんではないかと思いながらも、この遍路道を行くことにした。
深い樹林の中の山道を登って行く。
何度、ガイドブックと照らし合わせても道が違っているとしか思えない。それでも、遍路道の指導標は次の札所大日寺をさしている。
林の中の道を登り詰めると峠に出た。そこにはお堂と石仏が並んでいた。ここはいったいどこなんだと思ってしまう。
磁石で方向を確認して、自分の地図上の位置を確定するようにあれこれ考えて、ようやくわかった。ガイドブックに書かれている道は国道438号線をゆく道なのだ。そして私が通ってきた道は旧来の遍路道で、ガイドには書かれていないが、山を通って広野の集落に至る道のようである。国道は南側に大きくカーブして回り込んで広野に着くのだが、この遍路道は直線で結んでいる。もちろん神山温泉を通ることはない。こうして温泉はあきらめることになってしまった。
この峠は、あとで地図で調べたら「玉ヶ峠」といううのだ。
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