■真言宗大覚寺派 ■開基/弘法大師
■御本尊/十一面観世音菩薩
弘仁6年(815)の創建といわれるが、のちに阿波の総鎮守一ノ宮が建てられたときに、その別当寺になった。車がゆきかう国道に面してたっていて、その向かいに一宮神社がある。
     ■第12番札所 焼山寺から 26.3km
     ■徳島県一の宮町西丁263
     ■TEL 088-644-0069

 焼山寺から玉ヶ峠へ


杖杉庵のお堂


花が咲く道を下って鍋岩へ


玉ヶ峠の石仏

BACK 12番 焼山寺


2005年3月19日(三日目)

焼山寺からは遍路道を下る。つづら折れの車道を何度か横切って行くと、下のほうに集落が見えてくる。車道に出るとすぐに、左にお堂があった。
お大師さまの銅像がたっている。大きな杉の木が聳えていて、その前にに説明板が立てられていた。読むと、ここは「遍路発祥の地」で、その伝説が書かれていた。ここにあるお堂が「杖杉庵」であった。

遍路発祥の地のお堂ということなので、敬意をはらうことにした。納め札を納めて、般若心経あげてしまった。
すぐに車道をはずれて、桃の花が咲く果樹園の中を下って行く。本当に花がきれいで、こんな山の中の小さな集落をのんびり歩いて行くと、「桃源郷」ということばを思い出してしまう。
山道からアスファルトの車道に降りたち、鍋岩の集落の中に入る。歩いて行くと遍路の駅という看板があって、バスの終点のようである。トイレもあってその前にベンチがあったので、ここで少し休憩。
さて、あとは車道を歩いて神山温泉をめざす。時間的に余裕があったら、温泉に入りたいと思ったりしている。
ところが、車道を少しだけ行くと左に遍路道の指導標があった。車道から離れて、細い山道を登ってゆくのだ。
ガイドブックの道とは違うんではないかと思いながらも、この遍路道を行くことにした。
深い樹林の中の山道を登って行く。

何度、ガイドブックと照らし合わせても道が違っているとしか思えない。それでも、遍路道の指導標は次の札所大日寺をさしている。
林の中の道を登り詰めると峠に出た。そこにはお堂と石仏が並んでいた。ここはいったいどこなんだと思ってしまう。

磁石で方向を確認して、自分の地図上の位置を確定するようにあれこれ考えて、ようやくわかった。ガイドブックに書かれている道は国道438号線をゆく道なのだ。そして私が通ってきた道は旧来の遍路道で、ガイドには書かれていないが、山を通って広野の集落に至る道のようである。国道は南側に大きくカーブして回り込んで広野に着くのだが、この遍路道は直線で結んでいる。もちろん神山温泉を通ることはない。こうして温泉はあきらめることになってしまった。
この峠は、あとで地図で調べたら「玉ヶ峠」といううのだ。



 玉ヶ峠から大日寺へ
玉ヶ峠からのどかな山村を行く


下には鮎喰川が見える


いくつもの集落を抜けて歩いて行く


阿野から鮎喰川に沿って県道を行く


大日寺2km手前にあった遍路休憩所


玉ヶ峠からは車道になって、そのアスファルトの道を下って行く。

今日はすばらしくいい天気で、通り過ぎる山里には桃の花や菜の花が満開で、ものすごくきれいである。
集落を歩いて行くと、庭で作業をしていたおじいさんに声をかけられて、お茶でも飲んで行けという。お接待を受けてしまった。この道はかなり多くのお遍路が通るらしいのだ。
このおじさんに訊くと、この道が正当の遍路道で、私のガイドブックに書かれた道は車遍路の道なのだそうだ。
このおじさんにこの先の道のことを訊いて、再び歩き始めた。
遥か下に鮎喰川の流れをみて歩いて行く。かなり高いところを歩いていたのだが、だんだんに下って行って、川辺に降り着いた。そこが阿野の町であった。

人家がたてこんでいて道路も広い。道路標識を見るとこの広い道が県道20号線で、川に沿って大きく蛇行しながら広野の集落まで続くのだ。広野で私が予定していた道と合流するので、そこからはガイドブックに従って歩くことができる。
阿野の集落から約1時間、ようやく河野に着いた。ここで鮎喰川を渡って、県道21号線に合流する。
やっと、本に書かれている道に出たのでほっとして、この橋の真ん中で休憩することにした。座るところなんてないので、地べたに座り込んで途中の商店でかったアンパンをかじった。
私が座り込んでいるのは橋の歩道部分なのだが、そこを中学生が自転車で渡って行く。その彼らは、必ず私に挨拶してゆくのだ。お遍路には挨拶をするように教育されているんだろうかと思ってしまった。そういえば、街の中を歩いていてもたいていの人が挨拶をしてくれるのだ。四国では本当にお遍路が地元の人に受け入れられているのだ。

この橋から大日寺までは7kmである。
車道をひたすら歩いて行く。やや下りの道なので、早足でガンガン歩くことができる。左に流れる鮎喰川に沿って
2時間、ようやく向こうに寺院の杜らしきものが見えてきた。これが13番札所の大日寺であった。
鮎喰川と県道の間に建つ寺である。山の上のお寺が続いたので、町の中の平らな場所に建つ寺にちょっと違和感を感じた。

この札所に着いたのは3時であったが、めちゃくちゃに疲れた。
納経を済ませてしばらく休憩。足が痛い。靴を脱いで足を投げ出してしまった。
私は、自分でいうのもなんだが、登山でそうとう足は鍛えてきている。ちっとやそっとのことで、私の足にガタがくるはずはないのだ。でも、アスファルトの道を歩くのと、山道をあるくのではまったく違うようなのだ。
四国遍路というのは、ヤマヤにとっても、侮れない。


NEXCT 14番 常楽寺

BACK 四国遍路の旅


13番大日寺参拝(2007年再訪)
一宮神社(大日寺の向かいにある)





四国遍路の旅TOP My日本の山  My日本の道  日本の旅  私の写真館












inserted by FC2 system