BACK 須賀川散策
2008年4月6日
「軒の栗」をみることで須賀川市街の散策を終えて、乙字ヶ滝をめざすことにする。大通りを南に10分ほど歩いて、左折する。地図とにらめっこして、最短の道を選んで歩いて行く。本当に細い田舎道もあったが、40分ほどで国道に合流した。これを20分ほど行くと、左に乙字ヶ滝の入口がある。
阿武隈川に向かって下って行き、赤い橋を渡った左が乙字ヶ滝の公園であった。
広場にベンチがあったので、ここにザックを置いて散策に出かけた。林の中に入ると滝見不動堂がある。大同3年(808)弘法大師によって開かれたというのだが、本当だろうか。
この御堂の横から乙字ヶ滝を展望することができる。乙字ヶ滝というのは阿武隈川にある岩の段差によってできたもので、落差は4mほどしかないのだが滝の幅は100mほどもあるのだ。それが大きく湾曲して乙字になっていることから名前がついたのだ。
不動堂の横には芭蕉の句碑がたっている。
五月雨の 滝降りうづむ 水かさ哉
この句は歴史民俗博物館にあったものと同じなのだが、漢字の使い方が違う。こっちのほうが曾良日記に載っているものである。
不動堂からさらに奥に進むと、さっき軒の栗庭園にあった稚拙な像に似た芭蕉と曾良の像があった。
この先は行き止まりなのだが、川沿いにつけられた柵から見下ろすと、踏み跡があって阿武隈川に下れそうである。柵を乗り越えていってみることにした。急な斜面をトラバースして行くのだが、岩場が濡れてすごく滑りやすくなっている。慎重に下って川岸に立った。
川面と同じ高さから見上げる乙字ヶ滝は迫力があってすばらしい。芭蕉がここを訪れたときは連日の雨で増水していたというから、一層迫力があったろうと思う。(曾良日記によると、須賀川出発は前日の予定だったのだが、増水で阿武隈川を渡ることができないため、この日に延期したのだという。)
芭蕉はこの乙字ヶ滝から須賀川に戻ることなく郡山に向かったのだ。私もそれと同じルートをたどる。
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