BACK 第31番札所 笠森寺
2011年6月8日
笹森寺からは大多喜街道と呼ばれる国道297号線を南下する。仁王門のまん前にある駐車場に着いたのは10時少し前であった。
門の仁王像は変に白っぽい像であった。仁王門をくぐると、すぐ左に納経所があって、参道のすぐ先には赤い楼門が見える。四天門と呼ばれ、文政5年(1822)に建立されたものである。
門には風神・雷神が置かれているのだが、それがひどく稚拙な彫刻で、表情にはユーモアすら感じてしまう。門の裏に置かれているのは二天(広目天と毘沙門天)であった。彩色されているのだが絵の具の剥落が激しい。
四天門をくぐると、左に奥院堂がある。文化11年(1814)に本堂の仮堂として建てられたものである。ここには十一面観音像が祀られているのだが、秘仏。お前立ちの観音像を見ることができる。
参道の右に大きなお堂があった。お堂の真ん中は「百体の観音堂」。西国(33)・坂東(33)・秩父(34)合計百の観音様が祀られているのだ。
このお堂の右にあるショーウインドーにはなぜか赤穂四十七士の像が飾られていた。。明治の末頃、寺の住職が供養のために彫刻させたというのだが、どんな関係があったのだろう。
お堂の左には閻魔大王像があった。
本堂でお参りをする。
見上げると、天井には龍の絵があって、そのほかにも本堂を飾る彫刻がすごい。絵馬もたくさんあって、眺めていてあきることがなかった。
参拝を終えて、境内を散策する。本堂から石段を下った右に休憩所があった。驚いたことに、真ん中に大きな茶釜がすえてあった。このすぐ横には芭蕉の句碑があった。
木枯らしに 岩吹き尖る 杉間哉
これは三州(愛知県)で詠んだ句だというから、当地にはまったく関係がない。
赤い鐘楼も見えたが、その手前に小さな池があった。本当に小さな池なのだが、名前は「千尋の池」というのだ。夏でも涸れることがない霊水だというのだが…。
これで32番札所の参拝は終了。あとは最後の33番札所那古寺のみである。
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